2011年10月3日 投稿者 blackwakame
続きです。
【解体新書】
3本とも腑分けすると写真に写る内容が小さくなるので、『アフリカ(大陸)』を腑分けしました。ペン先はユニットになっているので、ペリカンのペン先を外す時と同じ要領でゴム板でペン芯とニブを挟んで捻ればすぐに外れます。
ここで外す際にご参考にして欲しい点を!以前にN御大がWAGNERの講義で『ペン先ユニットを外す際にはペン先を捻るのではなく、胴軸の方を捻って外すほうがいい』と仰っていました。wavioも講義を聴いてからこの方法で何本も試してみましたが、ニブとペン芯のズレを防ぐことが出来るのでとても理にかなっていると思います、腑分けをされる方は是非試してみてください。因みに外した後の詳しい写真等は師匠のブログでたびたびUPされてますのでググって探してみてください。
次の尻軸の分解ですが、これにはアウロラ専用の尻バサミが必要です。写真の尻バサミはモンブラン146・149用の尻バサミによく似ていますが、先端のフック部分がアウロラ用のは一回り小さいので146・149用は大きすぎて嵌らずに使うことができません。
それと尻軸ユニットの尻バサミを差し込む部分ですが、写真のとおりモンブランの金属製と違って樹脂で出来ているので強度に問題があります。この点についてはある理由から是非改善して欲しい点です(オプティマのデモンストレーターは金属製かな?)。
【問題点】
調整師(補)になってからWAGNERで何本かアウロラの萬年筆を修理させていただきました。その際に修理要望で多かったのが、『尻軸を回すとユニットごと外れてしまう』という症状です。詳しくお聞きすると『使い始めは問題がなかったが、何度もインクを吸入したりして使っていると、ある日突然尻軸を回すとユニットごと外れてしまった』ということです(この故障についてはペン★パレード!のチェリーさんが詳しい症状をブログに記載されておられます)。
このユニットが外れてしまう症状ですが、アウロラの尻軸ユニットは写真の様にねじ込み部分に赤いシーリング(軸色によっては白)を施していて、このシーリングの接着力に原因があると思います。wavioの個人的な推察なのですが、このシーリングはインクの漏れ防止用でもともとの接着力が弱く、その後の使用磨耗や経年劣化で更に接着力が弱くなるのではと考えています。
では修理としてこのシーリングに換えて強い接着剤をつけて解決するかというとこれにも問題があります。それは解体新書でも書きましたが、ユニット全体が樹脂製なので尻バサミを差し込んで外す際にあまり力をかけれないので強い接着剤を使えないことです。
ですので、wavioはこの修理の際には以前よりご紹介している『シューグー』(クリア色)で対応しています。『シューグー』でしたら樹脂を侵さないので軸やユニットを傷めませんし、水分に強いのでインク漏れ防止にも使え、さらに付ける量を間違わなければ、尻軸を回すぐらいでは外れない接着力があります(再度、尻軸バサミで外すことも可能です。でも付けすぎは注意です)。
もし、この症状でお困りでしたら、一度wavioが出席しているWAGNERへお持ち下さい。インク固化でどうしようもない物や物理的に壊れている物以外は多分何とかなると思います。但し、メーカーと違う接着剤や工具を使いますので、原則『生贄』扱いとなりメーカー保証外になる可能性があります。メーカー保障期間内(5年間)の物や今後もメーカーの保障を受けたい場合はご注意下さいね。
【最後に】
ペン先のクオリティーや尻軸ユニットの接着強度に少し問題がありますが、それでもこの磨きこまれた美しい軸は是非手にとって見ていただきたいですね。特に『エイシア(大陸)』は最初写真で見たときは『気持ち悪い色やな~』と思っていましたが、実際に手に入れて実物を見て、ベースになっている翡翠色はとても美しく輝き、半透明の小豆色の縞模様はとてもよいアクセントになっていると思います。
3大陸でこの調子なので、いつかは『アメリカ(大陸)』も買うと思いますが、まだまだオークションであまり見かけないのと軍資金の準備(枯渇&借金)ができていませんで『いつの日か・・・』を胸に4(5)大陸を目指したいと思います。
おしまい。